2007年11月22日木曜日

戦前ジャズ界のこと

昨日はナチス前夜のドイツにおける大衆音楽状況と題して,ジャズの影響を受けたクラシック音楽,そしてキャバレーソングと三文オペラについて話をした.
週末東京行ったのと,月曜にコンサートがあったので準備が終わったのが朝5時.
音楽の編集とかカバーをスキャンしたり,構成を考えたりで大変だった.

ジャズの影響ということで,ジョセフィーヌ・ベイカーについて,キャバレーソングではマレーネ・ディートリッヒについてそれぞれ歌を聞いてもらった.



ジョセフィーヌ・ベイカーは踊りも見せたかったのだが,YouTubeだと再生するときに画質がかなり落ちてしまう.
一応,彼女の代表曲のハイチを見てもらいつつ,歌を聴いてもらったのだが,感想を読むと良く見えなかったようだ.

ディートリッヒについては,嘆きの天使からの「フォーリング・ラヴ・アゲイン」を,他に「リリー・マルレーン」を準備したのだが,時間の都合上リリー・マルレーンだけになってしまった.



これは,講義の前日に届いたディスクの裏ジャケ.
あいかわらずいい声だった.

で,今日は先日神保町で購入した戦前日本のジャズ黎明期の録音を聞いていた.
日系2世として来日して,コロムビアと契約した川畑文子のディスクを聴いたのだが,とても面白かった.



これは当時の広告なのだが,コロムビアはジョセフィーヌ・ベイカーの踊りにディートリッヒばりの歌声という文句で売り出したらしい.
彼女の来日は1933年で,ディートリッヒの嘆きの天使が1930年の作品なので,リアルタイムで日本にも紹介されていたことがわかる.

川畑文子の歌は,素朴な歌声で時々音程をはずす不安定なものなのだが,それがかえって脱力系の歌声として受け止められ,ジャズの雰囲気に適ったものと思われたようだ.

しかし,以前の講義で1900年のパリ万博で録音された川上音二郎一座の音源を聞いてもらったのだが,わずか30年でこれだけ変化するとは,今よりも情報の点において激動の時代だったのかもしれない.
ファシズム台頭直前,モボ・モガの終焉期にあたると思うと,いろいろと思うことがあるなぁ.

5 件のコメント:

kenken さんのコメント...

これってどういう講義名なの?以前にも聞いたっけ。。

Youtubeだと画質音質落ちるでしょうが、講義準備のために確認したものはせっかくだからリンク張っておいてくださいよ。
そうすればこちらもバーチャルで講義を受けられる。まさにブログの良いところじゃあないですか。

avanti さんのコメント...

そこまで熱心じゃなくて…

バーチャルで講義を成立させようとするなら,もっとたくさんのデータを書き込まないといけないし,このブログの趣旨でもないのよ.

リクエストがあれば,リンク貼るくらいはするけどね.

avanti さんのコメント...

リンク貼っといたよ.
あと,講義名は政治文化論.
来週は退廃音楽の話で,いよいよ佳境に差し掛かってきたところ.

kenken さんのコメント...

ありがとう。バーチャル講義なんて書いちゃったけど、本物の方が午前5時までかかっているにまさかそこまで期待してないよ。ぼくんとこもなんだか仰々しく書いてるけど、単なるメモ書き以上の労力を割くつもりはないし。

これ感想にフェイクって書いてるけどどう思う? 川畑文子でググったらでてきた。ジャンゴ・ラインハルトなら知ってるよ。ウッディ・アレンの映画でみてCD買いました。

http://www.youtube.com/watch?v=7b7yFtr-t0U

avanti さんのコメント...

ジャンゴって日本に来たことなかったと思うけど…
それに1930年代の録音技術ならメタル原盤に直接刻む込むのでスタジオでレコーディングしていないかぎりろくな音にならないはず.
アップしてるのはちょっと音良すぎ.

ジャンゴといえば片腕グラッペリだけど,大学2年のときに今はなき近鉄劇場まで聴きにいったよ.
そのちょっと後で亡くなっちゃったので,かえって印象が鮮明に残ってる.

ショーン・ペンよかったな.
ウッディ・アレンってむちゃくちゃジャズが好きで,自分もクラリネット吹くし,ヴェネツィアのフェニーチェ劇場が消失した際の修復募金のためにバンドを組んで演奏してたくらいだから.

今日は琥珀恵比寿を買ってきた.
が,それを飲む前に普通恵比寿でおなかが一杯になってしまった.
もう寝よ.