2007年11月8日木曜日

牧神の午後

昨日講義でストラヴィンスキーについて話をした(+春の祭典を全曲上映)のだが,彼について話をするためにはどうしてもバレエ・リュスについて触れなければならない.
バレエ・リュスについて触れるとなると,ニジンスキーについて話さざるを得ない.

牧神の午後の舞台写真を使って,彼がこの曲にどのような振付をしたのか.
それがバレエという概念をどれだけ揺り動かすものだったのか,話をした.
一応,話を聞いて感心した学生ちゃんはいたようだが,やはり実際の踊りを見ない限りは理解できない部分もあるだろう.

牧神の午後は1912年の舞台で,写真しか残っていなかったのだが,後にニジンスキー自身が独自に編み出した記譜法の存在が明らかになり,長い時間をかけてその解読が成功したこともあって,当時の踊りを再現できるようになった.



1990年にバレエ・リュスともゆかりのあるパリのオペラ座バレエがディアギレフのバレエ団のレパートリーの中から,ペトルーシュカ,薔薇の精,牧神の午後,結婚を再演したレーザーディスクをオークションで見つけて購入したのだが,残念昨日の講義には間に合わなかった.

ただ,幸いなことに図書館にレーザーディスクのプレーヤーがあることがわかり,これまた幸いなことに一時借り出すことができたので,早速ダビングをしているところ.
来週の頭にでも牧神の午後を見せることは可能だが,ジョルジュ・ドンの踊るボレロでくすくす笑っていた学生がどういった反応を見せるのか,正直心もとないところでもある.

それにしても,さして長い活動をしたともいえないプライベートのバレエ団が,20世紀音楽・美術・バレエにこれほどの影響をおよぼしたことは,あらためて驚嘆すべきことだと感じ入った.

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