この土曜日は北九州の八幡まで出かけてきた.
八幡と言えばなんといっても八幡製鉄で,新日鉄とくるわけだが,今や八幡には三菱化学の工場が残るのみで新日鉄の広大な跡地はスペースワールドという名の遊園地になっている.
おそらく八幡に対する文化振興策の一環で建てられたであろう小規模のクラシック専用ホールがここにあり,パスカル・ロジェがくるとのことで聴きにいくことになった.
会場となった「響ホール」は皿倉山への途中にある.
外装はかつてリクルートビルがよく使っていた全面ガラス張り.
そもそもリサイタルを知ったのが,職場の互助会の案内だった.
抽選とのことで応募したら当選.
でも当選してもちゃんと代金を払う義務のあるよくわからない抽選だった.
さて,パスカル・ロジェは現役フランス人ピアニストとしてはミシェル・ベロフと並ぶ印象派弾きとして来日も多いのだが,関西に住んでいたときは室内楽の伴奏だったりといまいち縁がなかった.
今回のリサイタルは印象派直球勝負.
フランクからフォーレ,ドビュッシーにラヴェルとサティという具合に盛りだくさんだった.
ラヴェルのソナチネやドビュッシーの版画など,印象派の幕開けを告げる代表的な曲目を前半に置き,後半はドビュッシーの前奏曲集第1巻という配置だった.
ロジェの演奏は曲の色彩感を淡く紡ぎだすように繊細なタッチを重ねていく,まさに水墨画風の演奏.
ベロフのような切れ味に欠ける分,印象派の醸し出す曲調を表すにはいい演奏だった.
それにしても,前奏曲集はピアノ曲の傑作だ.
何度聴いても新しい発見がある.
ロジェさん,リサイタルの後はCD購入者に限ってサイン会も開いていた.
きさくに握手や写真にも応じていて,手慣れたものだ.
あまりの列の長さにこっちは断念.
2008年3月15日土曜日
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