2007年6月28日木曜日

梅雨らしいのだが

これまであまり梅雨らしい雨は降っていない.
このまま梅雨明けになると,また断水騒ぎがおこりそうだ.

今日は湿度が上がって蒸し暑い.
これから10月頃まで調子が落ちるなぁ.

近頃は昔使っていた機械,というかおもちゃだけど,と再会して戯れることが多いのだが,おとといくらいから,また子供の頃に使っていた製品をひっぱりだしてきていじっている.

今回は,短波ラジオ.



でかいのが,小4のときに購入してもらったCRF200という機種.
手前の小さいのは,10年ほど前に購入し,マイナーチェンジは経たものの現在でも発売しているICF SW100
どちらもソニー製で,現役バリバリである.
オランダに留学したときも,ジャカルタに住んだときもラジオは常に持ってた.

ちなみにラジオに関しては,1台しかソニータイマーは発動していない.

小学生の頃,短波放送を聞いて,放送局に受信報告書を送って証明書をもらうというのが一部の間ではやっていた.
いわゆる,BCLブームというやつ.

あの頃は,まだ海外の情報を入手する機会が新聞やテレビくらいしかなく,しかもその質量ともに貧弱だった.
そういった時代に,短波放送は直接海外の情報を得る手段として重要だったし,経済成長を遂げて先進国の仲間入りを果たした日本に対して,日本語放送を行っていた局も多かった.

手近なところでは韓国KBSや,中国の北京放送.
それに,北朝鮮の放送局もなかなか面白かった.
ベトナム放送なんて中越紛争の直後だったので,かなり辛らつに中国を批判していたことを今でも覚えている.
フィリピンからはカトリック系の放送局が売春ツアーの告発をしていたなぁ.

ヨーロッパの定番は,BBCとドイチェ・ヴェレ.
これら大国の放送局は,距離が遠くても世界の各地に中継局を設けていたので,受信状態は常に安定していた.

反対に,受信しにくいことや,珍しいという点ではバチカン放送というのもあった.
最難関は日本の裏側のアルゼンチン.
これは,5分強しか受信できなかったのだが,なんとか受信の証明をしてもらえた.
アメリカは,今も昔も日本語放送をする必要もないくらい,日本ではその情報があふれているらしく,VOAは日本語放送はしていなかった.

インターネットの普及によってこれらの日本語放送はどんどん放送をやめてしまった.
確かに,雑音に悩まされず,いつでも見聞きできるネット放送のほうが,情報の入手という観点からいえば望ましいことに違いあるまい.

インフラの整備されていない途上国くらいでしか,短波放送の持つ意義はもう残っていないのかもしれない.
とはいえ,今でもダイヤル回しながら飛び込んできた音声に耳をすませてどこの放送なのかを確かめるのは,それはそれで面白い.

それに,ラジオは想像力を喚起する点では,他のメディアの追随を許さないと思っている.
また,手間を楽しむという点では,コーヒーを入れたりフィルムカメラをいじるのと同じなのかもしれない.

それにしても,子供の頃世界の放送局を聞いていたおかげで,地理に関する知識や,国際情勢に関する興味がわいたことも確かだし,それが今の仕事の底流を形作っていると思えば,このラジオから受けた恩恵は計り知れないものがあるな.

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