2007年6月23日土曜日

家の近くのコムスン

夕方買い物に行く途中気がついて中をのぞいてみた.
事務所は営業中止のため室内が暗く,留守番電話に残されたメッセージを示す緑のランプが点滅していた.
室内は,備品などもそのままにされていて,事態の急展開を物語っているように思われた.



行政の怠慢によって導入された介護保険をビジネスチャンスとして受け止め急速に拡大していき,厚生労働省からも高く評価されていたコムスンだが,介護分野での市場原理が結果的にもたらすものがなにかを鮮やかに示してくれた.

80年代から継続するなんでも民営化すればよくなるという知的思考の放棄は,そろそろ見直す時期に来ていると思うのだが,一向にその気配はなさそうだ.

「労働市場の弾力化」,「競争力の復活」という名目で伸びていった非正規雇用もその一例だろう.
コムスンを統括する人材派遣業のグッドウィルによる57%にものぼる仲介手数料や「システム維持費」という不明瞭な名目での天引きが問題になっているのも,結局は行き過ぎた市場原理の導入と過剰な市場への信仰,そして人間をモノとしかみない風潮の裏返しに思える.

自由主義の祖と仰がれるJ.S.Millは,その行き過ぎに警鐘を鳴らし,社会による市場の調整,したがって社会保障政策の必要性を訴えていた.
そして,なによりも少数者の言論の自由を自由主義の核に据えていた.

どうもこの国の自由主義は,精神活動の面では沖縄戦集団自決への教科書検定(検閲),さらに国旗国家の問題に象徴されるように自由な意見を認める余地を限りなく少なくしようとし,他方では人を自由に切り捨て,使い捨てできるような社会システムを構築するところに主眼があるらしい.

しかし,こんなことをぶつぶつつぶやいていても,来る参院選で自民党が負けても現政権は開き直って政権の座にい続けるだろうし,衆院選で政権を交代させるつもりも一般ピープルにはないみたいだ.

自宅周辺をみると,再開発のせいで古い地区にはマンションか,モールか,パチンコ屋くらいしかできない.
周囲がこんな環境だと,住民のレベルもその程度にしかならないのかもしれないなぁ.

といっても,近所にカメラ店があったりしたら,とんでもないことになりそうではあるが.

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