2007年9月24日月曜日

アジア・フォーカス福岡国際映画祭

福岡はアジアの玄関口を意識して,いろいろイベントを企画することがある.
映画祭もそのひとつで,「アジア映画祭」と「アジアフォーカス福岡国際映画祭」という二つの映画祭が並存している.

福岡の人口や教養の程度を考慮すると,どう考えても映画祭を二つ企画するよりはひとつに絞ったほうが集客の点ではいいのではないか,とも思うのだが,まぁそれはおいておくとしよう.

去年は海外出張と重なりどちらの映画祭にも足を運ぶことが出来なかった.
今年も海外出張が重なり,アジア映画祭はパス.
アジアフォーカスのほうにこの連休中足を運んだ.

こちらの映画祭は確か佐藤忠男が総監督のような立場だったのだが,今年のプログラムからは地元の大学の先生に交代している.
これもどうしてなのかな.

今回見た映画はインド映画とウズベキスタンの映画.
22日はディーパ・メータというカナダ在住のインド系女性監督による作品を二本見た.
「炎」,「水」,「大地」と題する三部作が上映されたのだが,水と大地を見たことになる.
しかし,三部作のうち一本だけ見ていないというのは非常に居心地の悪い気分にさせる.
関係ないが,メータという名前は指揮者のズビン・メータと関係があるのだろうか…

「水」は1930年代インドにおける寡婦の問題を描いたもので,ヒンズー原理主義者からは撮影にあたってかなりの妨害があったらしい.
実際インドでの撮影は中止され,スリランカでロケをしたとのこと.

「大地」は独立期インドでの宗教対立がテーマ.
どちらの作品も,かなりレベルの高いもので,ボリウッドなんてうかれている場合じゃぁないぢゃないか,と思わせるものだった.

インドは中国と並び経済成長が著しいが,未だに社会構造は根強くカーストにより規定されているともいわれる.
また,宗教対立は依然激しく,グジャラートでの虐殺は記憶に新しいところである.

こうしたテーマを映画にすると非常に単純化された描き方をされないかいつも心配になるのだが,ディーパ・メータ監督の腕は確かだと感じた.
細かく言えばいろいろ問題点も指摘できるのだが,テーマの深刻さを鑑みれば,それも些細なことだろう.

三部作のDVD化を望みたいところだ.
教材としても充分耐えうる.

見逃したところでは,グスマンのドキュメンタリーがあった.
これもDVD化してくれないかなぁ.

会場は三つに分かれているが,メイン会場であるエルガーラ・ホールのあるビル.



真ん中のとんがり屋根がエルガーラ.
到着すると普通のビル.



隣の白いビルが福岡市役所となる.



エルガーラでの会場受付.
学割設定してあげればいいのに.
ただでさえ文化度が他の大都市よりも低いのに…

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