先月にFMで放送されたウィーン・フィルの来日公演を聴いている.
当初小澤征爾が指揮の予定だったらしいが,体調不良でキャンセルし,代役がウェルザー=メストとなった.
曲目は,ワーグナーのトリスタンとイゾルデから前奏曲と愛の死.
後半はブルックナーの交響曲第9番.
ブルックナーの9番を聴いているところだが,なんてさわやかなのだろうか.
ブルックナーというと,とにかく重厚な演奏が好まれることが多く,オルガン的な響きのオーケストレーションも相まって,脂身を霜降りにしたステーキを食べるようなこってり感に食傷気味になることも多々ある作曲家だった.
ティーレマンのような重厚長大志向とは異なり,ある意味「軽い」ブルックナーなのだが,そのおかげもあり内声部も含めて見通しのよい演奏になっている.
3楽章冒頭の表現も,ちょっとこれまで聴いたことのない弦の扱いで,面白かった.
シャイーのブルックナーくらいから,ブルックナーの音の響きを過剰な重々しさから解放する演奏が出てきたのだが,ウェルザー=メストも基本的にそういったアプローチをとっているのかもしれない.
確かクリーヴランド管を指揮した7番を録画していたはずなので,後で探しだしてこちらの演奏も確認してみよう.
ウィーン・フィルは今回の来日公演で,当初はサロネンがマーラーの9番を振る予定だったので宮崎まで出かけようかかなり悩んだのだが,サロネンもキャンセルとなってしまい,結果的にはチケットを購入せずに正解だったかな.
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