2009年12月24日木曜日

博多座文楽公演

今年最後の文楽.
3月に戸畑で行われた巡業を見て以来なので,9ヶ月振り.
関西に住んでいた頃はひと月に8回くらい行ったこともあったのに,1年でわずか2回では耳が悪くなるなぁ.

午前の部は菅原伝授手習鑑.
メインは住太夫師匠による桜丸切腹の段.

白太夫の内面表現は,爺の語りを得意としている住太夫さんならでは.
最後の付近ではちょっとお疲れかなとも思えたが,お年を考えれば立派です.
錦糸さんの三味線も端正で,もう少しユーモアがあってもいいくらいだった.

天拝山の寛治さんは,軽やかで伸びのある三味線で,いつもながらどうしたらあのような音が出せるのか不思議でたまらない.
津駒さんは,ちょっと声が疲れ気味で,いつもの伸びのある声が出ていなかった.

午後の部は義経千本桜と新版歌祭文.
それぞれ,河連法眼館の段に野崎村.
河連法眼館は咲太夫さんに燕三さん.

6年ほど前に文楽劇場で義経の通しを見た時にもこの段を咲太夫さんが語っていたが,その時の方が狐の語りを特徴的に表現していた.
今回はやや控えめだったように思う.

野崎村は,嶋太夫師匠.
久しぶりに聴かせてもらったが,変わらぬ張りのある艶やかな声が健在で,堪能させてもらった.
唯一,客席からもかけ声がかかり,博多にもファンがいるんだと感心.
相方が清介さんから清友さんに変わっていたのだが,この辺の事情はつまびらかではない.

とにかく久々に見た文楽だったのだが,人形よりも義太夫にばかり関心がいってしまい,素浄瑠璃で十分だったと個人的には感じてしまった.
来年はもっと多くの時間を文楽に割けることができるよう,心がけたいものだ.

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