2010年7月31日土曜日

クライバーのこと

先日,市の総合図書館を訪ねた折に,たまたまクライバーの伝記を見つけて借りてみた.
ドイツ語の翻訳で上下2巻のうち,上巻になる.

内容としてはエピソードの積み重ねで構成されていて,その分読みやすいが,同時に深みがない.
とはいえ,知らない事実がたくさん書かれているので,楽しく読み終えることができた.

伝記を読んでる間はクライバー父子のディスクをかけていたのだが,二人そろって素晴らしい.
あまりにも没入したせいか,先日などクライバーのコンサートを夢のなかで聴いていたくらいだ.

偶然見かけて手にとった伝記がきっかけなのだが,ちょうどクライバーの命日と重なっていたのも奇遇だ.
生きていれば80歳.

1994年の最期の来日公演では,チケットを買うチャンスがあったのだが,あまりにも高額なため,かわりにアバドの指揮するボリス・ゴドノフにしてしまった.
アバドがタルコフスキーに直接演出を依頼したオペラだけあって,演奏そのものは素晴らしいものだった.
このボリスは,彼の指揮で映像に残してもらいたかった.

その時にクライバーを聞けなかったことについて後悔はしていないのだが,その後,演奏に接する機会にめぐりあえなかったのが心残りだ.
NHKで放映したバイエルン州立管弦楽団とのベートーヴェンなど,DVD化してほしいものだ.

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